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■ 経過 |
- 経過:入院後徐々に頭痛は軽快した。血管造影の再検査は拒否され、19日後退院した。
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■ 確定診断名 |
特発性中脳周囲出血 |
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■ 考 察 |
- 中脳周囲へのくも膜下出血はくも膜下出血全体の約10%である。その2/3が、血管造影で異常が見られず、特発性中脳周囲出血と診断される。大抵50歳台に見られ、1/3の例で発症前に激しい活動をみる。発症時の症状は動脈瘤破裂例より軽症で、頭痛以外は正常である。典型的には経過は順調で、早期再出血や症候性血管攣縮は有意に低い(1)。
- もちろん中脳周囲へのくも膜下出血例でも動脈瘤破裂例は存在するため、脳血管撮影は必須である(2)。
- この型のSAHでは剖検例がなく原因不明であるが、橋前ないし脚間槽における拡張静脈ないしは静脈性奇形の破裂も考えられる。
また、脳幹部に潜在性AVMがあって破裂した可能性もある(3)。
- CTでの特徴は、中脳のすぐ前にSAHの中心があり、外側シルビウス裂・前半球裂にまで広がらない。中脳周囲に非対称性に見られるか、他の脳底髄液槽にあっても、中脳周囲の高吸収域が最も強い。この型のSAHは予後が良く、活動制限は不要である(4)。
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■参考文献 |
- Gomez PA, et al. Acta Neurochir (Wien). 1989;101(1-2):35-41.
- Van Calenbergh F, et al. Surg Neurol. 1993 Apr;39(4):320-3.
- Cioffi F, et al. Acta Neurochir (Wien). 1989;97(1-2):31-9.
- Ronkainen A. Acta Neurochir (Wien). 1992;119(1-4):29-34.
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