|
|
|
|
■ 鑑別診断 |
- 肺リンパ脈管筋腫症(lymphangiomyomatosis; LAM)
- 気管支嚢胞嚢胞性気管支拡張症
- 肺気腫
- リンパ球性間質性肺炎(lymphoid interstitial pneumonia; LIP)
|
|
■ 確定診断名 |
肺好酸球性肉芽腫症 pulmonary Langerhans cell histiocytosis(PLCH) |
|
■ その後の経過 |
気胸を繰り返し発症し、岡山大学病院にて肺移植を施行された。以後、当院呼吸器内科で経過観察中である。 |
|
■ 考 察 |
肺好酸球性肉芽腫症は原因不明の組織球増殖を本態とする疾患である。男女比は4:1で20〜40歳の若年男性に多い。90%以上に喫煙歴を認める。無症状の場合も多いが有訴症状としては乾性咳嗽、労作時呼吸困難、胸痛、発熱、体重減少がみられる。合併症に気胸(10〜15%)がみられることが多い。自然寛解例や禁煙による改善例がある。胸部CTでは両上肺野優位にびまん性に分布する結節影、嚢胞状影を認める。結節影は長径5mm以下で小葉中心性に分布し、充実性のものと内部に空洞を持つものがある。嚢胞状影は不整形を呈し、嚢胞壁の厚さはさまざまだが厚い場合は活動性を疑う。鑑別すべき疾患として肺リンパ脈管筋腫症があるが、嚢胞は壁が薄く均一で正円形を示し下肺野優位に存在し、腎血管筋脂肪腫など多臓器病変の存在も鑑別点となる。 |
|
■参考文献
|
- Sundar M, Gosselin M, Chung H, et al. Pulmonary Langerhans cell histiocytosis emerging concepts in pathobiology, radiology and clinical evolution of disease. Chest 2003;123:1673-83.
- Tazi A. Adult pulmonary Langerhans' cell histiocytosis. Eur Respir J 2006;27:1272-85.
- 池添潤平, 村田喜代史:肺好酸球性肉芽腫症(pulmonary eosinophilic granuloma, pulmonary histiocytosis X).胸部のCT.メディカル・サイエンス・インターナショナル,1998,349-51.
- 荒木力:1.肺 ランゲルハンス細胞肉芽腫症.胸部CT診断90ステップ.中外医学社,1998,113-20.
- 竹中大祐,足立秀治,大野良治,他:肺病変(孤立性,多発性またはびまん性)空洞影または嚢胞影.臨床画像19:68-78,2003
- 亀山正邦,高久史麿:肺リンパ脈管平滑筋腫症.今日の診断指針,第5版.医学書院,2002,949-51.
- 杉本恒明,小俣政男:肺ヒスチオサイトーシスX(pulmonary histiocytosis X).内科学,第7版.朝倉書店,1999,733-4.
- 新田哲久,高橋雅士,村田喜代史,他:Diffuse cystic pattern.画像診断26:444-58,2006.
- 野間恵之,田口義夫:肺リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis;LAM).画像診断25:420-423,2005.
|
|
|
トップページ(症例一覧のページ)へ戻る
|