■ 経過 2007年3月20日 整形外科にて生検

■ 病理診断 Plasma cell myeloma of bone marrow, thoracic vertebra, biopsy

骨髄には異型のある形質細胞が集団を形成しており,多数のRussell bodyを伴う。
myeloma cellの像である。


■ 考 察  Helmsらは骨髄腫の脊椎病変のCT,MRI所見について、
1. 急性骨髄腫では多孔性のSwiss cheese様の像が見られ,慢性あるいは長期にわたる骨髄腫ではPaget病に似た粗雑な骨梁パターンを呈する

2. 時に骨髄腫は溶骨性病変を示し(形質細胞腫と呼ばれることがある)、椎体に発生した形質細胞腫が”mini brain”のような特有の像を呈する場合があると述べている。1)2)
 これに対し,江原は,“mini brain”は、疎らで肥厚した骨梁を伴った溶骨性病変周囲の残存した骨皮質や骨膜反応のことで、成長が遅い髄内病変においては、非特異的な変化であり、椎体に限らず認められるものであるとしており、椎体に関しては,骨髄腫(形質細胞腫)、脊索腫、軟骨肉腫、血管腫、血管内皮腫、線維性骨異形成、成長の遅い転移巣や化学療法や放射線療法後の転移巣においてこのような所見が認められると述べており
3)、実際の読影に際しては注意が必要である。


■参考文献
  1. Helms C(伊藤勝陽監訳). 骨関節画像診断入門,第3版. エルゼビア・ジャパン.2005.
  2. Major N, Helms C, Richardson W. The "mini brain": plasmacytoma in a vertebral body on MR imaging. AJR 2000;175:261-3.
  3. Ehara S. "Mini brain" of plasmacytoma. AJR 2001;176:1076.

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