■ 画像所見 |
造影CT:後腹膜腔内右側に、下大静脈、腹部大動脈に接する12×10cm大の辺縁平滑、境界明瞭な腫瘤を認める。周囲への浸潤傾向は認めないが、下大静脈は腫瘤に圧排されている。腫瘍辺縁部の造影効果は良好だが、内部に造影効果に乏しい領域を認める。腫瘤内部には血管を多数認める。(図-1)
MRI:腫瘤は、T1強調画像で主に低信号を示す。内部に一部点状の高信号を認め、出血が疑われる(図-2)。T2強調画像では辺縁部は淡い高信号を示し、中心部は著しい高信号を呈する。内部にflow voidを認める(図-3)。脂肪抑制併用T2強調画像で信号強度に変化を認めない(図-4)。拡散強調像では、腫瘍辺縁部のT2強調画像での高信号に一致した異常信号を認める(図-5)。ADC値は0.5×10-3と低下がみられた。冠状断像で見ると、膵頭部とのbeak signは認めない(図-6)。
dynamic MRI:辺縁部のT2強調画像で淡い高信号を呈した部分は、動脈相早期から著しい造影効果示し、平衡相まで持続している。T2強調画像で著しい高信号を示した中心部分は造影効果に乏しく、腫瘍内の変性が疑われる。(図-7-abcd)
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