▼提示施設
広島赤十字・原爆病院 放射線科1)、内科2)
 
1)西原礼介、田村彰久、森正樹  2)高橋一平

 ▼性/年齢
30歳代女性

 ▼主 訴
右視力低下

 ▼経 過
200X年X月、右目の視力低下・四肢の痺れを自覚するも放置していた。疼痛は認めなかった。4ヵ月後近医を受診し、緑内障の診断にて点眼薬にて治療したが改善しないため、当院眼科紹介となった。
既往歴・生活歴・家族歴に特記事項は認めない。初診時視力は右指数、左0.07(矯正1.2)、眼圧は右17mmHg、左10mmHg、ゴールドマン視野は右側島状視野、右対光反射は消失、右視神経乳頭蒼白であった。
末梢血はWBC:9000 /μl とやや高値、CRP、血清Ca、血清アンギオテンシン変換酵素活性。血清リゾチーム、抗サイログロブリン抗体はいずれも正常範囲内であった。
眼窩MRIにて右視神経の腫大と造影効果を認めた。また篩骨洞や両側上顎洞の粘膜肥厚を認めた。ガリウムシンチで左肺門リンパ節に集積亢進を、胸部造影CTでは両側肺門、縦隔リンパ節腫大を認めた。
呼吸器科にて気管支肺胞洗浄を施行し、細胞数増加(3.9×105/ml)、リンパ球増加(63%)、CD4/CD8比の上昇(5.5)を認めた。
左眼角内側に紅色充実性結節を認めており、生検にて‘ラングハンス型の多核巨細胞を伴う肉芽腫の融合’との結果にて、サルコイドーシスと診断された。ステロイドパルス、免疫抑制剤にて加療するも視力回復やMRIでの右視神経腫大に改善は認めず、現在生物製剤にて加療中である。

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