放射線科の医師の仕事は大きく分けて、放射線をあてて治療する放射線治療と、撮った写真をみて診断をつける放射線診断に大別されます。
放射線治療医はあなたの病気の種類と程度を判断して、化学療法を含めた治療方法を決定します。身体のどこに、どれだけの放射線を、どの方向から当てるかを決めるわけです。治療中の診察ももちろん放射線科医が行い、必要に応じて処置も行います。
放射線治療に際し、技師は放射線科医師によって決定された治療方針に従って装置を操作し、放射線をあなたの身体の決められた部位に、正しく当てることを担当しています。看護婦ももちろんあなたの介助をいたします。放射線診断医はいろいろな写真の診断を担当しています。胸の写真のかげをよむことはもちろん、胃や腸の透視の写真、超音波検査の写真、CTやMRの写真、核医学検査の写真といった、さまざまな画像すべてがその守備範囲に入っています。これらの検査のうち,胸や骨などの単純写真や簡単なものは放射線技師が機械を操作して写真を撮ります。単純写真以外で、複雑なものや精密検査は医師が直接担当します。いずれも最後に診断報告書を作成するのは放射線診断医の担当となっています。このほかに最近では写真を撮る機械を使って身体のあらゆるところに針や管を通すことが可能になりました。この技術を使って、外科医にかわって手術をせずにあなたの治療を行うことも放射線科医が担当しています。ところでアメリカでは放射線科の医師は“Doctors for Doctors”と呼ばれています。現在の医学では、あなたの症状の原因をみつけるには
、放射線科での検査が必要になることが大変多いのです。その大切な役割を放射線科医が担っているので、内科医や外科医のための医師と呼ばれているのです。放射線科医の行った検査の診断は診断報告書の形で内科、外科、その他の臨床科へ送られ、また、放射線科医は他科の医師とあなたの病気についての話し合い(カンファレンス)に参加して意見を述べます(Q3、4参照)。ちなみに,辞書や翻訳書の中で放射線技師と誤訳されていることもありますが,英語では放射線科医のことを“Radiologist”といいます。 |